Flâneur 遊歩者

リトルプレス Flâneurのこと

2022年5月 新入荷の本ご案内

神保町PASSAGE Flâneur+ 5月新入荷本のご紹介。

今回仕入れた本はいつも以上に思い入れが強いため説明文の熱量多めです。

passage.allreviews.jp

↑こちらから通販も対応しております。

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『Joseph Cornell: Portfolio / Catalog of the Exhibition』英語 1976年

SANDRA LEONARD STARR 著

版元: Leo Castelli Gallery : New York

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コーネルが他界した1973年の3年後にサンドラ・スターのキュレーションによりNYのLeo Castelli Gallery で開催されたジョセフ・コーネル展のポートフォリオスタイルの図録。コーネルの作品の魅力は何ものにも染まっていない純粋さ、素材のテクスチャー、アナログだからこそ生まれる唯一無二の世界。そのため、彼の図録や書籍をデジタルでコーネルのコラージュ風に表現してもどうしても物真似した簡易版になっているという印象が拭えません。この図録はコーネルと交流があり、彼の作品を愛し、研究していたサンドラ・スターだからこそ生まれたコーネルの小宇宙のような一冊です。発行部数は3000冊と言われていますが、表紙の美しいマーブリングは一冊毎に模様も色調も異なります。モノクロの作品ポートフォリオ43枚、コーネルの肖像写真、Donald Bartheleme, Bill Copley, Tony Curtis, Howard Hussey, Allegra Kent, Julien Levy, Jonas Mekas, Robert Motherwell, Hans Namuthらの追悼文や散文詩などが(一部ファクシミリ版)収められている。


SANDRA LEONARD STARR

ワシントンDC生れの美術史家。生前のコーネルと交流もあり、コーネルの展覧会についていくつかの優れた研究論文を残しています。

販売価格16500円(SOLD OUT)

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『Once a Year』2014 英語

Axel Hoedt 著 版元: Steidl 版元絶版 

サイン入り Flâneur 特性限定ポストカード2枚付き。

ドイツ南西部に古くから伝わるFasnacht(謝肉祭)の写真集。
現在残念ながら絶版になってしまい入手困難となっていますが、以前Flâneur vol.4で彼の本を紹介した縁でAxelが持っていた在庫を特別にサイン入りで販売させてもらえることになりました。

「冬から春にかけて雪の村々に仮面仮装の異形が現れ,春ともなれば珍しい農耕儀礼が行われる。チロルの農民にとって冬将軍との闘いは,その訪れを示す11月2日の万霊節(死者の日)に始まり,聖ニコラスの日,十二夜を経て春近いファスナハトFasnacht(謝肉祭)でクライマックスを迎える。ファスはfaseln(成長する)を意味し,ファスナハトは来るべき春の成長と実りを願う予祝行事として古来より祝われた神聖な夜(ナハトNacht)であった」(世界大百科事典)

謝肉祭は動物の仮面や道化の衣装を人間が纏うことにより人ならざるもの、神と人間の中間の存在の道化、または神そのものである来訪神へと変化します。この写真集には人から人ならざるものへと変化した来訪神たちの姿が写し出されています。

ドイツ在来の習俗や信仰、更に仮面の造形や美しい衣装にもご注目を。PASSAGEに棚を借りることになった時に一番に「置きたい」と思ったのがこの本でした。胸熱な棚主一押しの一冊です。2冊入荷しましたが、1冊は入荷前にご予約となりました。定価よりだいぶお値段が上がってしまいましたが、購入を逃していた方はサイン、特典付きですので是非この機会に!

Axel Hoedt

1966年生まれ、英国ロンドンを拠点とするドイツ人ファッション・ポートレートフォトグラファー。

Instagram

販売価格8500円(SOLD OUT)

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【蜘蛛の文学特集】

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特集……という程ではありませんが、棚主が大好きな“蜘蛛”がテーマの本です。蜘蛛への優しい目線と美しい言葉で綴られたメーテルリンクの観察記『ガラス蜘蛛』、不条理でおぞましい悪夢のようなベアリュの小説『水蜘蛛』。同じ蜘蛛がテーマでも対照的な2冊ですが、どちらもとかく嫌われ者になりがちな蜘蛛を物語の幻想的な主人公として描いています。

『ガラス蜘蛛』

著:モーリス・メーテルリンク / 解説:杉本 秀太郎 / 翻訳:高尾 歩 版元:工作舎

クリスタルの潜水服をまとい水中の部屋を建設するガラス蜘蛛(ミズグモ)。不思議な生態に魅入られ、心を奪われたメーテルリンクが綴る美しいガラス蜘蛛の世界。独自の神秘主義的世界観を反映させた昆虫三部作としてメーテルリンクが70歳の時に刊行された。1000円

 

『水蜘蛛 ソムニウム叢書』1981年

『水蜘蛛 白水社uブックス』1989年

マルセル・ベアリュ著 田中義廣 訳 

ホフマンの幻想とカフカの不条理――イノセンスとユーモアが混在し、背徳とエロティシズムが奇妙に乱反射する――マンディアルグが絶賛した幻想の妖女譚「水蜘蛛」をはじめ、永遠の瞬間を百合のひとひらに極めんとした「血と百合」等、夢の現実、生と死に引き裂かれる魂の冒険を描く生と死に引き裂かれる魂の冒険を描く戦慄の短篇集。

美しい装幀のソムニウム叢書と、後に内容をボリュームアップして復刊されたuブックスと両方揃えるのが棚主のおススメです。

ソムニウム版:経年劣化有り、箱背折れ跡、傷、グラシン変色とシミ、背表紙変色ありだが全体的に良。1500円(SOLD OUT)

白水社uブックス:経年劣化有り、天地変色有りだが良。500円(SOLD OUT)