Flâneur 遊歩者

リトルプレス Flâneurのこと

2022年12月 神保町passage納品のお知らせ

12月1日にやっと神保町passage に納品に行けました。前回納品した本も大変にありがたいことに光の速さでほぼ売り切れてしまい、喜びと驚きと共にずっと棚の様子が気になっておりました。今回は幻の棚主(?!)おぐらとうこちゃんの作品が掲載された本が新入荷しております。passageのFlâneur+店限定のポストカード付き。私が大好きなうさ耳の子のポストカードを入れてもらいました。

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そして今回もまたまたありがたいことに納品した翌朝には私のセレクト本は完売しておりました。ありがとうございます。毎度事後報告で申し訳ないのですが、記録として本の紹介をしたいと思います。

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Axel Hoedt 『Fast Nacht』SOLD OUT

著:Axel Hoedt 2015英語 版元: Steidl 版元絶版 Flâneur 特性限定ポストカード2枚付き。

ドイツ南西部に古くから伝わるFast Nacht(謝肉祭)の写真集。現在残念ながら絶版になってしまい入手困難となっていますが、以前Flâneur vol.4で彼の本を紹介した縁でAxelにお願いしてポストカードとサインカード入りで販売させてもらえることになりました。

「冬から春にかけて雪の村々に仮面仮装の異形が現れ,春ともなれば珍しい農耕儀礼が行われる。チロルの農民にとって冬将軍との闘いは,その訪れを示す11月2日の万霊節(死者の日)に始まり,聖ニコラスの日,十二夜を経て春近いファスナハトFasnacht(Fast Nacht 謝肉祭)でクライマックスを迎える。ファスはfaseln(成長する)を意味し,ファスナハトは来るべき春の成長と実りを願う予祝行事として古来より祝われた神聖な夜(ナハトNacht)であった」(世界大百科事典)

動物の仮面や道化の衣装を人間が纏うことにより人ならざるもの、神と人間の中間の存在の“道化”、または神そのものである“来訪神”へと変化します。この写真集には人から人ならざるものへと変化した来訪神たちの姿が写し出されています。2014年に出版された『ones year』では彼の生まれたドイツ南西部の仮面装束のみだったが今作ではオーストリアチロル地方まで足を運び撮影。『Onece A Year』の続編的写真集。 ドイツ、チロル地方在来の習俗や信仰、更に仮面の造形や美しい衣装にも注目して欲しい、棚主一押しの一冊です。

Axel Hoedt 1966年ドイツ生まれ、英国ロンドンを拠点とするドイツ人ファッション・ポートレートフォトグラファー。

Instagram https://instagram.com/axel_hoedt

 

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『Mark Dion: Bureau of the Centre for the Study of Surrealism and Its Legacy』SOLD OUT

Mark Dion 著 版元:Book Works (UK) ペーパーバック 128頁 英語 24㎝×13㎝ カラー×モノクロ 1924年から1925年の1年間だけアンドレ・ブルトンが運営していたシュルレアリスム研究所“Bureau de Recherches Surréalistes”ではシュルレアリスムの作家や芸術家が集まり意見を交わしていた。 マーク・ダイオンは、マンチェスター大学内の博物館の一室にその研究所を彷彿させる空間を作り出した。研究が終わりマンチェスター博物館で放置された遺物となったコレクションを見落とされ無用となっていた空間で展示している。この本では展示品を6部門に分けて紹介。 2002年に東京大学総合研究博物館・小石川分館で開催された“マーク・ダイオンの驚異の部屋”以降、日本でも驚異の部屋愛好家が増えたのではないだろうか。そんな驚異の部屋愛好家にはバイブルとなる一冊。

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『シュテュンプケ氏の鼻行類―分析と試論』SOLD OUT

カ−ル・D.S.ゲ−ステ著 今泉みね子 訳 1961年にドイツで発行されたハラルト・シュテンプケの鼻で歩く謎の生物ナゾベームの博物誌『鼻行類』。この奇妙な博物誌は多くの反響を呼び日本でも思索社より1984年に翻訳本が発行され、版元を変えながらも今も発行され読み続けられている。 シュテンプケの『鼻行類』が発行された25年後にこの本は発行された。読者から寄せられた論考や疑問への回答、古生物学者からの評論の他「科学はどのくらいまじめなのか」「間違ったラテン語!」などまじめにそして愉快に紐解く。ハラルト・シュテンプケとはそしてこの本の著者カール・D・S・ゲーステとは何者なのか。

(むらしめさんありがとうございました!)

 

ここからは絶賛発売中の本のご紹介です。

おぐらとうこちゃんの作品掲載作品集

DOLLS 2 田中流 球体関節人形写真集 TH ART SERIES』

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可愛らしい人形から前衛的なものまで、多種多様で個性あふれるヒトガタ表現の宝箱。Flâneur +棚主の一人おぐらとうこの人形4体掲載。passage限定ポストカード2枚のオマケつき。(デザインは4種あり)

とうこちゃんのお人形はゴーチェのアンティークドールを思わせるような雰囲気と魅力があります。そして小さな子ども特有のあの限られた時期だけのぷっくりしたほっぺたや唇の可愛らしさ、媚びていないちょっとすました表情。その表情がとてもいたいけで、私はいつもギュッと抱きしめたくなります。

お人形好きな方へのクリスマスプレゼントにも最適な一冊です。passageの店舗には見本誌も置いてあります。是非手に取ってゆっくりご覧ください。

新刊 ¥2,750

 

そして引き続きオカムラノリコさんの作品集(来年は卯年!)Flâneur vol.3、4(在庫僅少)、5販売中です。通販も対応しておりますのでよろしくお願いします。

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passage.allreviews.jp

2022年10月納品のお知らせ

神保町Passage久々に納品しました……がこちらのブログを更新する前にすでに全て旅立ってしまいました。しかしながら今回もお気に入りばかりなのでご紹介したいと思います。

 

『JOSEPH CORNELL: Box Constructions and Collages』

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1997年3月7日-5月4日までフロリダのノートン美術館ジョゼフ・コーネル展で作成された木箱入りポストカードセット。カラー29枚、モノクロ12枚、5冊のブックレットを収録。

未使用だがポストカードに経年劣化による一部変色ありだが美品。¥7,700 sold out

 

『Nachtcollagen. Nighz Collages 1934』

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オットー・ホフマン:コラージュ
ティモシー・バウム:詩
上製 モノクロ 58頁 独/英 対訳
Folker Skulima Berlin 1981発行

オットー・ホフマンは、ドイツ1907年生まれ1994年に他界したバウハウスのアーティスト。1933年から34年間コラージュを作成。この作品集は1982年にギャラリーオーナーのフォルカー・スクリマによって見出され、アメリカのシュルレアリスム研究者ティモシー・バウムの詩とともに造本された。1000部限定のシリアルナンバー付き限定本だが、Hors Commerce(非売品)の記載があるため作家からの謹呈分と見られる。日本ではあまり知られていないオットー・ホフマンだがDöbele Kunst Mannheimなどの数多くの重要なギャラリーや美術館が、彼の作品を取り上げた。

マックス・エルンストやジョゼブ・コーネルのコラージュの作風とはまた違う、謎多き作家ホフマンの漆黒の夜を遊歩するコラージュ集。¥3,300 sold out 

 

『内なるおばけ "The Ghosts Within"』再入荷

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Angela Deane著 2019年 英語

Angela Deane
アメリカ・フロリダ生まれ、ボルチモア在住。大学では写真を専攻。2001年から約10年はニューヨークを拠点にファッションブランドなどを立ち上げ、その後、写真にペイントを施した「Ghost Photographs」を発表。国内外で個展を開催し、グッチとのコラボ等で注目を集める。

この作品集に収められているゴーストシリーズはフリーマーケットやネットオークションで古い写真を集め、写真の中の人々を全てゴーストへと置き換えている。ゴーストを通して見えてくるタイムスリップショット。最高にキュートな作品集。

202ミリ×253 212頁 作者サイン入り
アメリ自費出版 フルカラー ¥8,300 sold out(円安により値上がりしました)

日本語紹介記事
https://numero.jp/interview180/

 

『シベリア民族玩具の謎』

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著:アリーナ・ チャダーエヴァ
訳:斎藤 君子
恒文社 1993 絶版
ユーラシア大陸東北部、極東シベリアに住むナナイ、ウリチ、ネネツなどの少数民族の民話や伝説、子供の玩具のルーツから信仰までを調査。現代に伝わる「人形」から呪具としての役割を解明しつつ、彼らの信仰や思想も扱う研究書。樺太アイヌ、北海道アイヌとの共通点など興味深い内容となっている。

カバーに多少汚れありだが良本。¥3,300 sold out 

 

https://passage.allreviews.jp/store/C2XL7E3PQX6DKYLMIFA2RGX3

↑引き続き通販対応しております。
海外仕入れの本をメインにしているので円安により今後の仕入れがなかなか厳しい状況ですがまたステキな本を探したいと思います。

 

 

2022年8月納品のお知らせ

【神保町PASSAGE Flâneur+ 8月納品本】

円安で海外からの仕入れが厳しいこともあり系統立てて本がセレクト出来ず、今回はプチフェアとも呼べないのですが……8月のテーマは一応“蒐集”です。子羊舎の肉桂色の店からずっと活動を追って下さっている方には「久しぶり」という感じでしょうか。

f:id:flaneurmagasin00:20220702153418j:imagef:id:flaneurmagasin00:20220729135433j:image『JOSEPH CORNELL: The Crystal Cage』

ジョゼフ・コーネル
雅陶堂ギャラリー 1987年 和英文
ソフトカバー 函付 2冊セット
限定1000部  サイズ:255×185mm

Flâneur+購入特典としてコーネル作品にも使用されているフランス赤十字切手2枚のおまけ付き

1987年に雅陶堂ギャラリーで開催されたジョセブ・コーネル展覧会『The Crystal Cage[Portrait of Berenice]』のカタログ。
『The Crystal Cage[Portrait of Berenice]』『Box Constructions & Collages』の2冊組。コーネル作品を日本でいち早く見出していた雅陶堂ギャラリーは1979年よりコーネル展を開催しておりこの展覧会は3回目となる。解説文には詩人の岡田隆彦、コーネル研究者サンドラ・スターらが参加し、とても濃い内容になっており、読み物としても資料としても素晴らしいカタログとなっている。展覧会の図録というと、図版に目が行きますが、この図録はギャラリーオーナーの横田茂の解説に大変な魅力があります。

この展覧会のメイン作品であった『The Crystal Cage[Portrait of Berenice]水晶の鳥籠ベレニスの肖像』

“ベレニスという名前の起源ー重たげな波打つ髪にかかった雪が溶けた雫,星のような雪片ーベレニスの星座,髪の毛座……”

コーネルが作り出した架空の少女ベレニス。堕天使となった少女、スーツケースの中に納められた水晶の鳥籠、水晶宮シノワズリの塔、バレリーナ、天使たちを巡るキラキラと透明で美しい冒険。

『The Crystal Cage』モノクロ図版あり全59頁。
『Box Constructions & Collages』カラー図版5頁、モノクロ4頁含む63頁。

箱に少々の折跡、『The Crystal Cage』後ろ見返しに少々傷あり、経年による多少の変色ありだが本文含め美本。

SOLD OUT

 


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『Jessica Joslin strange nature』

Jessica Joslin 2008年 版元PS Studios Incフルカラー152頁 200×260

Flâneur +購入特典としてアメリカの中世薬局切手とドイツの月クロモスおまけつき


アメリカのアーティスト、ジェシカ・ジョスリンによる真鍮やアンティークを合わせた骨格標本オブジェ作品集。骨となった鳥や猿たちが[死]と反転し生き生きと表現されている。骨となった動物たちによる再生のサーカスを見ているような作品集。

本文少々波打、背表紙カバーに少々痛み。印刷の段階からと思われる1ミリ弱の青いインク飛びが数頁ありだが経年の割には美本です。

¥5,500

 

なかなか本が仕入れられず少ない搬入ですが、その分濃い2冊だと思います!実店舗、通販ともに対応しております。よろしくお願いします。

https://passage.allreviews.jp/store/C2XL7E3PQX6DKYLMIFA2RGX3

 

2022年6月 新入荷本のご案内

【神保町PASSAGE Flâneur+ 6月納品本】

今回のプチフェアはクエイ兄弟(Quay Brothers)に纏わる本です。クエイ兄弟関連の本にはポストカード1枚おまけつき。どのポストカードが入っているかは購入されてからのお楽しみに。(画像に写っていないものもあります)

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The Physician's Art: Representations of Art and Medicine

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クエイ兄弟の『Phantom Museum』のサー・ヘンリー・ウェルカム・コレクションに登場した象牙でできた美しい解剖標本と同様の象牙標本が5体掲載されています。余談になりますが、古い医療系オブジェクト好きな私は、91年の発行と同時にたまたまこの本を購入。表紙にもなっているイタリア製象牙の解剖標本の存在を初めて知り、センチメンタルな表情や造形の美しさに感動し、夢中になって色々調べた記憶があります。後にクエイ兄弟の作品に象牙の解剖標本が登場したのを目にした時には“好きな監督と好きなものが同じ”と妙に興奮したものでした。
[版元解説]デューク大学美術館でジュリーV.ハンセンによってキュレーションされた、100を超える珍しい「メディカルアート」オブジェクトの展示の図録。この本は、15世紀から ヨーロッパから極東、アフリカまで、詳細な医療イラストや標本などフルカラーで多数掲載。絶版6600円 SOLD

 

クエイ兄弟の代表作の一つである『ストリート・オブ・クロコダイル』の原作者ブルーノ・シュルツ関連の2冊。

『シュルツ全小説』平凡社ライブラリー     ブルーノ・シュルツ 工藤幸雄

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グロテスクなのに美しい白昼夢のような短編的連作。クエイ兄弟の『ストリート・オブ・クロコダイル』の原作である『大鰐通り』も収録。クエイ兄弟ファンならマストな1冊と言えるのではないでしょうか。

[版元解説]シュルツの生涯は二十世紀に翻弄されつづけた。ナチスの銃弾に斃れるその最期まで、彼が遺した小説は多くない。自身「現実の神話化」と呼んだ作品群は、特異かつグロテスク、ときに荒唐無稽に近い。だが、そこに真実がないと言えるだろうか。『肉桂色の店』『砂時計サナトリウム』の両短篇集から洩れた四篇を加えた全三十二作品を収録。1500円 SOLD

ブルーノ・シュルツの世界』         成文社 加藤有子編

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作家であり画家でもあったシュルツのマゾヒズムな作風のガラス版画や工藤幸雄氏の翻案や柴田元幸氏訳など多数掲載。

[版元解説]ブルーノ・シュルツ(1892-1942)の小説は、現在40ちかくの言語に訳され、世界各地で作家や芸術家にインスピレーションを与えている。そのシュルツは画業も残した。本書は日本語訳者、工藤幸雄氏が所蔵していたシュルツの『偶像賛美の書』を収録するほか、シュルツの美術作品、シュルツ作品のインスピレーション/アダプテーション、翻訳をキーワードにエッセイと論考、シュルツ作品の翻案と翻訳を集める。工藤幸雄に始まる日本のシュルツ受容の展開を示す、はじまりとしてのアンソロジー。2000円 SOLD

 

日常の中に起きる非日常(マジックリアリズム)を体験できる、とシュルレアリストたちが好んで移住したラテンアメリカクエイ兄弟ラテンアメリカ文学を好み映像作品を制作しています。

『案内係』水声社 フェリスベルト・エルナンデス

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ガルシア・マルケスに「1950年にフェリスベルト・エルナンデスの物語を読んでいなかったら、私は今日のような作家にはなっていなかった」と言われ、イタロ・カルヴィーノに「〜誰にも似ていない作家。ヨーロッパにもラテンアメリカ作家にも似たような作家は見当たらず〜」と言われた奇人フェリスベルト・エルナンデス。「チリは詩人、アルゼンチンは短編作家、メキシコは長篇作家、そしてウルグアイは奇人」というジョークまで生まれたという。読みだすと捉えどころがなく困惑し頭の中は「?」でいっぱいになる。しかし読み進めていくうちにどんどん引き込まれていく不思議な読書体験。フェリスベルト・エルナンデスの作品の日本語訳はアンソロジーに過去収録されたことがあったが絶版。現在日本語でまとめて読めるのはこの短編集のみ。短編を通して読むことでより一層、幽けしい奇妙な世界を体験できます。

クエイ兄弟が2013年に制作した短編映画『Unmistaken Hands: Ex Voto F.H.』の原作『水に沈む家』収録。2500円

 

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『愛しのグレンダ』岩波書店 フリオ・コルタサル

クエイ兄弟が度々好きな作家として名前をあげるアルゼンチン作家フリオ・コルタサルクエイ兄弟は「コルタサルは、より秘密めいた別の秩序、現実の真の研究は、法則ではなく、その法則の例外にかかっていると述べている。」と語っており、彼らの作品にも影響を与えています。

『愛しのグレンダ』は短編の名手と呼ばれるコルタサル後期の短編集。日常に垣間見る幻想と入り交じる人間の狂気と政治性。幻想小説の名手でありながら19世紀的リアリズムの破壊を目指した実験的な作品。カバー作品はスペイン人でメキシコに移住したシュルレアリストの画家レメディオス・バロの作品。ちなみにPASSAGEにはこの本を翻訳された野谷文昭さんの棚もあります!1500円

通販も対応しております↓

Flâneur vol.3、4(在庫僅少)、5、おやつマガジン等定番本も引き続きよろしくお願いします!

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youtu.be

 

 

 

 

 

 

2022年5月 新入荷の本ご案内

神保町PASSAGE Flâneur+ 5月新入荷本のご紹介。

今回仕入れた本はいつも以上に思い入れが強いため説明文の熱量多めです。

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↑こちらから通販も対応しております。

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『Joseph Cornell: Portfolio / Catalog of the Exhibition』英語 1976年

SANDRA LEONARD STARR 著

版元: Leo Castelli Gallery : New York

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コーネルが他界した1973年の3年後にサンドラ・スターのキュレーションによりNYのLeo Castelli Gallery で開催されたジョゼフ・コーネル展のポートフォリオスタイルの図録。コーネルの作品の魅力は何ものにも染まっていない純粋さ、素材のテクスチャー、アナログだからこそ生まれる唯一無二の世界。そのため、彼の図録や書籍をデジタルでコーネルのコラージュ風に表現してもどうしても物真似した簡易版になっているという印象が拭えません。この図録はコーネルと交流があり、彼の作品を愛し、研究していたサンドラ・スターだからこそ生まれたコーネルの小宇宙のような一冊です。発行部数は3000冊と言われていますが、表紙の美しいマーブリングは一冊毎に模様も色調も異なります。モノクロの作品ポートフォリオ43枚、コーネルの肖像写真、Donald Bartheleme, Bill Copley, Tony Curtis, Howard Hussey, Allegra Kent, Julien Levy, Jonas Mekas, Robert Motherwell, Hans Namuthらの追悼文や散文詩などが(一部ファクシミリ版)収められている。


SANDRA LEONARD STARR

ワシントンDC生れの美術史家。生前のコーネルと交流もあり、コーネルの展覧会についていくつかの優れた研究論文を残しています。

販売価格16500円(SOLD OUT)

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『Once a Year』2014 英語

Axel Hoedt 著 版元: Steidl 版元絶版 

サイン入り Flâneur 特性限定ポストカード2枚付き。

ドイツ南西部に古くから伝わるFasnacht(謝肉祭)の写真集。
現在残念ながら絶版になってしまい入手困難となっていますが、以前Flâneur vol.4で彼の本を紹介した縁でAxelが持っていた在庫を特別にサイン入りで販売させてもらえることになりました。

「冬から春にかけて雪の村々に仮面仮装の異形が現れ,春ともなれば珍しい農耕儀礼が行われる。チロルの農民にとって冬将軍との闘いは,その訪れを示す11月2日の万霊節(死者の日)に始まり,聖ニコラスの日,十二夜を経て春近いファスナハトFasnacht(謝肉祭)でクライマックスを迎える。ファスはfaseln(成長する)を意味し,ファスナハトは来るべき春の成長と実りを願う予祝行事として古来より祝われた神聖な夜(ナハトNacht)であった」(世界大百科事典)

謝肉祭は動物の仮面や道化の衣装を人間が纏うことにより人ならざるもの、神と人間の中間の存在の道化、または神そのものである来訪神へと変化します。この写真集には人から人ならざるものへと変化した来訪神たちの姿が写し出されています。

ドイツ在来の習俗や信仰、更に仮面の造形や美しい衣装にもご注目を。PASSAGEに棚を借りることになった時に一番に「置きたい」と思ったのがこの本でした。胸熱な棚主一押しの一冊です。2冊入荷しましたが、1冊は入荷前にご予約となりました。定価よりだいぶお値段が上がってしまいましたが、購入を逃していた方はサイン、特典付きですので是非この機会に!

Axel Hoedt

1966年生まれ、英国ロンドンを拠点とするドイツ人ファッション・ポートレートフォトグラファー。

Instagram

販売価格8500円(SOLD OUT)

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【蜘蛛の文学特集】

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特集……という程ではありませんが、棚主が大好きな“蜘蛛”がテーマの本です。蜘蛛への優しい目線と美しい言葉で綴られたメーテルリンクの観察記『ガラス蜘蛛』、不条理でおぞましい悪夢のようなベアリュの小説『水蜘蛛』。同じ蜘蛛がテーマでも対照的な2冊ですが、どちらもとかく嫌われ者になりがちな蜘蛛を物語の幻想的な主人公として描いています。

『ガラス蜘蛛』

著:モーリス・メーテルリンク / 解説:杉本 秀太郎 / 翻訳:高尾 歩 版元:工作舎

クリスタルの潜水服をまとい水中の部屋を建設するガラス蜘蛛(ミズグモ)。不思議な生態に魅入られ、心を奪われたメーテルリンクが綴る美しいガラス蜘蛛の世界。独自の神秘主義的世界観を反映させた昆虫三部作としてメーテルリンクが70歳の時に刊行された。

1000円(SOLD OUT)

 

『水蜘蛛 ソムニウム叢書』1981年

『水蜘蛛 白水社uブックス』1989年

マルセル・ベアリュ著 田中義廣 訳 

ホフマンの幻想とカフカの不条理――イノセンスとユーモアが混在し、背徳とエロティシズムが奇妙に乱反射する――マンディアルグが絶賛した幻想の妖女譚「水蜘蛛」をはじめ、永遠の瞬間を百合のひとひらに極めんとした「血と百合」等、夢の現実、生と死に引き裂かれる魂の冒険を描く生と死に引き裂かれる魂の冒険を描く戦慄の短篇集。

美しい装幀のソムニウム叢書と、後に内容をボリュームアップして復刊されたuブックスと両方揃えるのが棚主のおススメです。

ソムニウム版:経年劣化有り、箱背折れ跡、傷、グラシン変色とシミ、背表紙変色ありだが全体的に良。1500円(SOLD OUT)

白水社uブックス:経年劣化有り、天地変色有りだが良。500円(SOLD OUT)

 

神保町PASSAGE シェア書店に棚をオープン

こちらの更新は久々です。

お知らせが遅くなりましたが、神田神保町すずらん通りに2022年4月にオープンしたシェア書店PASSAGEに友人のテディベア作家オカムラノリコさんと人形作家のおぐらとうこさんとFlâneur+として棚を持つことになりました。

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通販対応しております↓

https://passage.allreviews.jp/store/C2XL7E3PQX6DKYLMIFA2RGX3

 

Flâneurの他にはシュルレアリスム関連や私が好きな作家やアーティストの洋書を主にセレクトしています。オカムラさんは作品集をメインにコルセットの洋書など、おぐらさんはこれからのお楽しみとなっています。

 

PASSAGEは店内撮影もOKとのことです。他のお客様の写り込み、書籍本文の撮影はご遠慮頂き表紙のみでお願いいたします。

お問合せは下記メールにお気軽にどうぞ。flaneurmagasin⭐︎gmail.com(⭐︎を@に変えてください)

Flâneurの下地となるフィールドワークや下調べについては最近note(https://note.com/flaneur0808)に移行しました。理由は単にどんなに放置しても広告が入らない、編集のし易さからです。noteは基本民俗学的なものに絞って更新していく予定なので、はてなブログは今回のように、PASSAGEのFlâneur+の棚の書籍紹介に活用したいと思います。これからもよろしくお願いします!

台湾高雄にてFlâneur展示

台湾・高雄の七号閱覽室にてFlâneurのエキシビジョンを10/2~11/30まで開催してもらっています。

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ずいぶん前から七号閱覽室のKiteさんからお声がけ頂いていて、開催したら台北から新幹線に乗って駅弁食べながら高雄の七号閱覽室に伺えたらなぁ、と楽しみにしていました。しかし人生何が起こるかわからないものですね。

 

新型コロナのニュースを知ったのは楽しい仲間とブルガリアを旅していた時でした。帰国する頃には騒ぎも大きくなり、背中から大きな波に飲み込まれるような感覚で日本に到着しました。

 

残念ながら今回は本たちだけが旅立ち人間はお留守番です。Kiteさんの計らいでFlâneurで今まで撮影した写真をプリントして頂き本と一緒に展示して頂いているそうです。

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台湾の皆さんに楽しんでいただけることを!and Great thanks to Kite❤️

 

七号閱覽室https://www.instagram.com/p/CFzRNUPHVbi/?igshid=1j06kp62a0y97

https://www.herenow.city/kaohsiung/venue/experiment-at-7th/